FX タートルズ投資法とは?資金管理術の王道

FX タートルズ投資法とは?資金管理術の王道

 

一昔前、「亀の養殖と同じ方法でトレーダーを育成できるか?」を試した投資家がいました。

 

のちに驚異的なパフォーマンスをたたき出したトレーダー集団「タートルズ」は、上記の投資家から資金提供を受け、取引市場、ポジションサイズ、エントリー、損切、決済など取引に必要ないくつかのルールを叩き込まれました。

 

その目的は、人間の感情や独りよがりな判断を排除し、一連のルールを定め、完全に一貫した取引を続けました。

 

その投資家とは、1980年代に一世を風靡したリチャード・デニスと言われる投資家です。

 

デニスはこれらのルールを公表しても、それに従う人はほとんどいないだろうと述べました。

 

ほとんどのトレーダーはルールを厳格に守らず、自分の状況や感情などの気分次第で取引を行う傾向があり、ルールを決められていても逸脱し、優れたパフォーマンスを達成することなく市場から退場すると語りました。

 

タートルズ投資法とは?

 

タートルズ投資法とは、持続的なモメンタムを重視したトレンドフォロー戦略です。これは上昇と下落の両トレンドでブレイクアウトを見極める戦略であり、多くの金融市場で導入されている手法の一つです。

 

デニスの考えは、トレーダーが直感に頼るのではなく、ルールに従うことが出来るよう脳レベルで「ルールを守る」ことに徹することができるようトレーニングをさせるとうものでした。

 

また、それらのトレーニングを受け、成功したトレーダーには各々100万ドルの運用資金が与えられました。

 

タートルズ投資法のルール

 

1.取引市場:タートルズは先物取引に投資し、大口注文無しで、市場を動かすことなく取引ができる流動性の高い市場をターゲットとしました。そのターゲットとして選ばれたのがFX、国債、コモディティ、S&P500でした。

 

2.ポジションサイズ:タートルズは市場のボラティリティに合わせてポジションサイズを柔軟に決定しました。こうすることでポジション価値の変動を平均化することができると考えたからです。

 

この手法は、各ポジションが各市場で同じ規模になるよう確保することで、リスクヘッジ(分散投資)という意味が込められています。

 

また、市場の流動性を流動性を測定する為に20日指数平滑移動平均線を用いていました。

 

3.エントリー:エントリーする際は2種類の異なる方法が用いられました。

 

1つ目の方法は20日間の高値をブレイクアウトする瞬間に買い、20日間の安値のブレイクアウトでは売りを仕掛ける手法です。

 

2つ目は55日の高安を基準としたブレイクアウト戦略です。この手法を用いて最大4つの取引を行うことが出来ます。取引の兆候を見逃すと利益確定の機会を逃し、それらが重なると全体的なパフォーマンスが落ち込むため、タートルズはすべての兆候を確実に判断できるようトレーニングに精を出しました。

 

4.損切:タートルズは予想外の損失を被ることを事前に防ぐため、常に損切注文を使用するよう叩き込まれました。彼らはこの重要性を理解し、取引を行う前に自分が取れるポジションのサイズを決定し、損切注文を必ず各取引をする際につけました。

 

このようにしてタートルズは巨額の損失に直面したことで有名となったニック・リーソンの教訓をもとに、想定外の損失を被ることを回避してきました。

 

また、よりボラティリティが高い市場には、より幅広い値幅のストップを付けるといった工夫も取り入れました。

 

5.決済:早期にポジションを決済する場合、その取引で利益を得る可能性が小さくなる傾向があります。そこでタートルズが学んだ取引ルールの1つが、多くの取引を行うことでした。

 

そのうち、大きな利益を生んだのはごくわずかでしたが、同時に損失額も少額でした。

 

決済についてはロング(買い)ポジションに対しては10日間の安値で決済。反対にショート(売り)の場合は20日間の高値で決済するというのが1つ目のルールでした。もう一つの決済ルールは20日間の高安値を用いました。

 

以上がタートルズに課された取引ルールでした。

 

しかし一部のタートルズのメンバーはルールに従うことが出来ませんでした。そしてルールに従わなかったトレーダーのパフォーマンスは低迷する一方でした。

 

タートルズに課された取引ルールはトレンド相場を活用するように設計されています。しかし、トレンドは常に動いています。よって、トレーダーは長期間にわたり一定の値幅で上下に動くチャートに翻弄され疲労することになります。

 

しかし、タートルズは利益を出すことが難しいトレンド相場の時においても、ルールに従うことを叩き込まれていました。

 

20日間の高値・安値のテストがブレイクアウトする瞬間を確実に予測することは、ほぼ100%不可能であり、ゆえにトレーダーは損失に対して常に資金面のみならず精神面でも相応の準備をしておく必要があります。

 

そして実際にその準備をするための有効な手法としてタートルズは「各注文取引は損失をもたらすと想定する」ということを常に心掛けました。

 

まとめ:なぜタートルズ投資のルールが重要なのか?

 

タートルズの朝鮮から得られた教訓とは何か?最初に上げられる教訓は、取引には「ルールが必要不可欠」であるという事です。

 

エントリー、決済、ポジションサイズなどについて明確に定義されたルールが無ければ、トレーダーは”直感”のみをもって取引することになります。

 

直感だけに頼った取引を続けると時にトレーダーは自身の能力を超える取引をしてしまいます。

 

次の教訓は「メンタル」を重視することです。デニスはこの点について言及はしませんでした。

 

しかし、一部のトレーダーの中には従うべきルールに戸惑い、それらルールを勝手に変更し、本来のルールに従った取引を避ける傾向が見られました。これらは、ルール自体が有効であると理解できても一連のルールに従うことが難しいことを示しています。

 

メンタルコントロールはトレーダーが習得すべき避けては通れないスキルの一つです。私たちはその重要性についてよく耳にすることがあります。

 

しかし、タートルズが示す通り取引においてメンタルコントロールをすることは簡単なことではありません。

 

タートルズ投資法の試みが非常に興味深いのは一連のルールが不可欠であると同時に、それらのルールに従う心構えもこれまた不可欠であるという点です。

 

小さな損失が続くと心が動揺してしまいます。しかし金融市場は私たちの欲望を満たすために存在しているわけではありません。

 

勝ち続けるトレーダーはあらかじめ定められたルールに従い、常にメンタルをコントロールすることを意識しています。

 

そして、この意識をベースに損失をリスクリワードを適切に管理することで、損失よりも利益の方がトータルで上回るよう取引をコンスタントにし続けます。

 

その結果、長期的に利益を生み出すことが出来るのです。