老後の資産形成のために今から長期投資でFXという選択はおすすめなのか?

老後の資産形成のために今から長期投資でFXという選択はおすすめなのか?

 

年末から年始にかけて、為替相場は円高の方向に動いた。特に年明けには瞬間的に大幅な円高に振れ、金融商品を持っている投資家は肝を冷やす場面があったかもしれない。

 

個人でも外国為替証拠金取引(通称FX)は人気であり、書店でも投資のコーナーには関係する沢山の本が並んでいる。

 

私もFX専業トレーダーとして活動している為、FX自体が悪いと言うつもりはない。数ある金融商品の対象として考えるのは悪くないだろう。

 

ただ、FXの本質を正しく理解した上で「老後の貯え」のために取引をするのも良し、「お小遣い稼ぎ」の為にするのも良しだと私は感じる。

 

しかし、FXのみならずそういった金融商品には上記のように「変動リスク」が常に付きまとうにも関わらず、安易な考えのまま取引を始めようとする人が続出しているように感じる。

 

その背景には行動経済学で言う「ヒューリスティック」が働いているのだろうと察する。

 

つい最近も私が専業トレーダーだという事を友人に伝えると、「投資って儲かるんだね。僕も老後が心配だから少しずつ始めたいから教えてよ」と言ってきました。

 

もちろん親しい友人だったので断る理由も無い為教えてあげようと思いました。

 

投資と言っても株式投資や投資信託など現代には金融商品が沢山存在する為、まずは何から始めてみたいか尋ねたところ、「FX教えてよ!」とだけ言われました。

 

FXというのは通常「レバレッジ」を掛けて行う取引であることは言うまでもないだろう。だから、自己資金の何倍もの金額を賭けて行うものなのだからリスク管理や資金管理について理解していない時期から投機的要素があるFXを手始めに行うのはこちらとしても気が引けた。

 

「他にも沢山投資の対象はあるけど、何故FXから始めたいの?」と私が問いただすと、「だってFXで儲かってるんでしょ。僕にもできそうじゃない!」と言われました。

 

私はこの理由を聞いてこれは典型的なヒューリスティックでは無いかと感じた。

 

無意識なヒューリスティックで自分の人生を判断しがち

 

ヒューリスティックとは、自分の経験や直感に頼って判断、意思決定をすることを指す。

 

参考記事:心理学から見るFX ヒューリスティックが合理性を鈍らせる

 

例えば、「お勧めの海外旅行の行き先はどこ?」と聞かれた場合、どう答えるだろうか

 

自分の行ったことのある旅行先だけでなく、ウェブサイトやインスタグラムを見たり、知り合いから聞いた情報を基に総合的に判断するのが正しいやり方だ。

 

ところが多くの人は自分が行ったことのある旅行先が直感的に頭に浮かぶため、その旅行先を進めがちになる。これはごく自然なことで、何かを判断したり意見を言ったりする場合、全てにおいて正しいプロセスで論理的な答えを出すことなど不可能だからだ。

 

大半のことは自分の経験や直感で答えても実際の生活には何ら影響はない。しかし金融商品となると資産運用においてこのヒューリスティック思考は危険だ。

 

私が話を聞いた友人のように「だってFXで儲かってるんだよね」という簡単な理由で身近なモノだと錯覚し、外国為替投資に関するリスクを何も理解せずに安易に手を出してしまいがちになるというのはヒューリスティックであると判断できる。(行動にすぐに移せるフットワークの軽さは尊敬するが・・・)

 

確かに仲の良い友人が「FX専業トレーダー」というのは事実であるが、為替変動リスクなどによってどれくらいの損益が生じるのかを「理解している」こととは別問題になる。

 

結局のところこれから投資で取引をしていくのはもちろんその本人であるし、そのための投資資金を捻出するのもこれまた自分だ。

 

他の金融商品と比べてレバレッジをたくさん掛けられるという点からも基本的な知識を持たないままFXの世界にいきなり入るのは非常に危険な行為と言って良いだろう。

 

参考記事:心理学から見るFX ヒューリスティックが合理性を鈍らせる

 

なぜFXを老後資金形成のためにお勧めしないのか

 

為替相場は需給関係で動く部分が株式投資と比較した場合大きい。価格変動が全てファンダメンタルズ(経済状況)で動くのであれば予測はある程度可能だが、需給というのはいわば多くの人の心理的要因に影響を受けるものだから予測自体が非常に難しい。

 

株式投資であれば、短期的な価格変動は読めなくても企業の財務内容や成長性をしっかりと調べ、好材料がある企業であれば、長期的に保有することで利益を得られる可能性は高いだろう。

 

しかし、FXは基本大きなレバレッジを掛けて取引を行う為、長期的にポジションを保有すると為替変動が大きくなる可能性がある為、大損をしてしまうこともある。

 

これらのことからレバレッジをたくさん掛ける投資家こそ短期の取引で利益をどんどん積み重ねる方が安全だという事だ。

 

私の友人は為替変動リスクなどで「元本割れ」を起こす可能性があることを理解しないまま「老後資金形成の為」と言っていたので、大きなレバレッジを掛けて長期的な保有をするのはお勧めできないのである。

 

それでもFXから始めてみたい!

 

ここまで聞いて、もし「それでもFXから投資を始めてみたい!」というのであれば、基本的な学習をした上で、FXを老後資金形成の為使うお勧めの方法はもちろんある。

 

レバレッジを掛けない

 

FXを老後資金形成の為に運用する方法は「レバレッジ」を掛けない方法だ。

 

FXを始めたばかりの初心者投資家の人たちは何故か「レバレッジ」をたくさん掛けたがる。これには人間の”欲”が関係してくるが、「たくさんお金を儲けたい」という気持ちが強ければ強いほど沢山レバレッジを掛けたがる

 

そうでなくても、「最大25倍までだから使おう」なんて考えてしまうのだ。

レバレッジは「掛けられますよ」というだけで掛けなくてもいいのだ。

 

つまり、老後資金形成の為に安全に資産運用したいのであれば「レバレッジ1倍」であれば問題ないと言えるだろう。

 

レバレッジ1倍=自己資金額そのままの金額だ

 

FXが危険と言われている大部分はこの「レバレッジ」にある。それを使わないという考え方が出来れば銀行預金をしているのと同じことだ。

 

もちろん決済時には為替変動リスクも付きまとうが、長期的にポジションを保有するのであれば「スワップ」が決済するまで毎日貰える為、為替変動分は相殺出来るのではないかと思う。

 

参考記事:FX スワップ金利をイメージして利益を積み重ねよう

 

その際の注意点としては長期的(10年~30年)保有する前提で取引を行うので、証券会社が途中で破綻してしまいそうなところで口座を開くのはやめておこう。

 

おすすめは国内口座開設数1位のDMM.com証券だ。

 

口座開設数も多いことから破綻のリスクは皆無と言っていいだろう。

 

また、取引手数料も格安の為「いきなり全額投資するのは恐い」という方は”積立方式”をとってコツコツ積み重ねると良いだろう。その際の1回の手数料が安ければ決済時にそれだけ利益が増えるので間違いない。

 

まとめ

 

老後資金形成の為に投資を始めるのはとても良いことだ。

 

しかし投資初心者にも関わらず投資対象の「リスク」を軽視していると何十年後かに決済をした時に「全然増えてない・・・」最悪の場合「投資した金額より減っている・・」なんてことも十分にあり得る為、投資対象選びとその対象のリスクの把握はしっかりと行おう

 

FXを老後資金形成の為に活用する際は今回紹介した「レバレッジ1倍」を意識すると良いだろう。

 

もちろんレバレッジ1倍でも為替変動リスクなども付きまとうので自己責任ではあるが、その他のリスクなどについても「自分の大切なお金」を使うのには変わりないのでしっかりと自己学習をして投資を始めると良いだろう。

 

この記事を読んでくださった方が資産運用で上手くいくことを願っています。